子育て

育児に使える【行動分析学】

子育てをしていると親は色んな問題に直面します。

「何度同じことを注意してもきかないのはなぜ?」

「甘えてばかりの我が子。親が甘やかしすぎたの?」

私も問題に直面するたびに色々と原因を探りますが「行動分析学」の視点から考えると、いつもと違う切り口から解決策が見えてきました。

行動分析学とは

「なぜその人は〇〇をしてしまうのか」という問いへの答えを「心」ではなく、「外部の環境」に求めるのが行動分析学だ。(引用元

自分の心も相手の心も見えないだけに、「心」に原因を求めるのはなかなか難しいですよね。

今回は、メリットの法則 行動分析学・実践編 (集英社新書)

を読んで、子育てしている自分に役立つと思った点をご紹介します。

【イヤイヤ期】うまくできた時に褒めて感謝する

例えば、2歳児だと

  • スーパーで思うように行動してくれない
  • 歯磨きを嫌がる
  • おむつ替えを嫌がる

など、着替えやお風呂など、とにかくすべてのことを「いやいや」と拒否します。

何がそんなにイヤなのか親は原因を探って、その原因を取り除こうと苦戦しますが、そもそもこの年齢の子どもは「何が嫌なのか」を具体的に詳細に説明できず、イヤイヤ言っているうちにイヤイヤの原因が変わってしまったり、自分でも何が嫌なのかわからない状態になったりします。

この「イヤイヤ」のスイッチが入らないようにすることが一番平和な解決方法なのですが、イヤイヤスイッチが入るきっかけはあちこちにあるのでそれは難しい。

そこで行動分析学の考え方がすごく有効に働きます。

その行動がなぜ起きるのかについての理由を考えるとき、その行動の前に何が起きたのかを考えるよりも、その行動の結果として何が起きたのかを考えなければならないのだ

このことを踏まえ、一番いいと思う2歳児への対処法は、

  • 無理にこちらが望む行動を強要しない
  • できた時にはとにかく「すごいね」「ありがとう」と伝える

です。

無理に強要しても結局火に油を注ぐ結果になるので、時間が許す限り本人の気が向くまで放っておきます。

また「歯を磨く」「スーパーでおとなしくしている」「着替える」など、大人から見るとできて当たり前のことも、とにかく褒めます。

「すごいね、今日はスーパーで良い子にしてくれたからママは買い物ができたよ」

「ズボン履いたね!すごい!ママ助かるな~!」

など、ちょっとしたことを見逃さず褒めて感謝の気持ちを添えると、自分からすんなりこちらが期待している行動をとってくれるようになりました。

つまり、こちらが期待していた行動をしてくれた時には

「その行動によってママは助かったよ」

ということを伝え続けると、こちらが期待している行動をとってくれる確率が上がるというわけです。

「自分が起こした行動によって、そのあとプラスの出来事(褒められた、感謝された)が起きた」

という体験を繰り返すことで、こちらが期待する行動をある程度促すことができると思います。

とにかく笑顔で伝えよう

「ありがとう」「助かるよ」は心を込めて行うのがポイント。我が家はこの方法で、毎回追いかけまわしていたおむつ替えがグッと楽になり、自分から進んでオムツを取り替えてと言ってくれるようになりました!

「アメとムチ」は不要

先ほどの例で「ほめる」というのは「アメとムチ」の「アメ」に当たりますが、行動分析学は決して「アメとムチ」を使うものではなく、「アメとアメなし」というアプローチであると述べています。

ムチの副作用についてこんな風に述べています。

  • 叱られないように何もしようとせず積極性を失う
  • ムチによる一時的効果はあるものの、効果は持続しない

この本では、例として野球のスイングを教える際に、正しいフォームでボールを打った時にだけ褒め、それ以外の時には敢えて叱る(ムチ)は必要ないと述べています。ムチによる一時的な効果よりも副作用の方がはるかに大きいからです。

私は子育てする上で、このムチによる副作用はしっかり認識しなければならないと思います。

「叱る」という行為そのものも「ムチ」の一つですが、

人って、褒める時間より叱る時間の方が長いと思いませんか。

お子さんの例で思い出して見てください。
褒めるときはサラっと

「すごいね。」

「よくやったね。」

ですが、叱る時は長々と説教していませんか?(私は、意識していないとつい長くなってしまいます…反省)

叱ることで脳にこんな影響があることが分かっています。

いつも叱られてばかりだったり、体罰やネグレクトを受けていると、「海馬」だけでなく、情動を司る「帯状回」の領域も萎縮させることがわかっています。子どもが悪いことをしたら叱ることは必要ですが、叱ってばかりや叱り過ぎることは脳の成長に悪い影響を及ぼすのは明らかです。(参照

もちろんやってはいけないことをした際は、しっかり注意をする必要はありますが、その注意の仕方や時間を気をつけなければ子どもの脳に悪影響を及ぼしてしまいます。

逆に

ほめられると、脳の側頭葉と頭頂葉、前頭葉に変化が出ることがわかっていて、すこやかな脳を育てるためには子どもをしっかり見つめ、適切に評価してほめることが大切と考えられています。(参照

ムチによって行動を抑制させたとしてもその効果は一時的で、かつ脳がダメージを受けるとなれば、子育てにおいてはムチは効果がなくむしろ悪影響を与えることがわかります。

余談になりますが、叱るときだけ子どもの名前をたくさん言っていませんか?

「◯◯ちゃん!」

と名前だけで叱ったり、

「◯◯ちゃん、だめよ!」

などと言っているけど、褒める時には名前を呼んでいないときが多くないですか?

自分の名前が叱られるときにだけ呼ばれ、褒められる時には言われない。

こういう積み重ねは、自己肯定感の低さにも影響しています。

一生懸命考えた命名した我が子の名前、もっといい場面でたくさん読んであげたいと思います。

アメとムチは不要

脳へのダメージを含め、ムチによる副作用を理解し、適切にほめることを積極的に行おう

潔癖症、強迫性障害、不登校にも

この本では、潔癖症、強迫性概念や不登校といった問題にどうアプローチしたら良いのかなどが分かりやすく解説されていて、子育てにも役立つヒントがたくさん書かれています。

特に不登校は、本人の「心」に解決の糸口を見出そうとして「本人がまた自ら行きたいと思うまで様子を見ましょう」というアプローチがなされることが少なくありませんが、これに対しても行動分析学で見事に解決する実例が紹介されおり、とても面白く読めました。
様々な問いを「心」ではなく「外部の環境」に求めると論理的にアプローチできると考えると、少し子育てにも楽に向き合えると思います。

様々な問題に対処する一つのアプローチとしてこの行動分析学は知っていて損はないので、日々子育てに奮闘しているお父さん、お母さんにも是非読んでいただきたい1冊です。

メリットの法則 行動分析学・実践編 (集英社新書

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